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賃貸事務所の本音

日本では今のところ、借入金を増やして積極的にレバレッジ効果を狙うハイリスク・ハイリターン型の運営よりも、投資家に安定的に配当することに重点を置いた長期安定型の道営がなされています。
従って、上場J-REIT全体の資金調達に占める借入比率(Loan to Value)は40-50%が多く、現在のところ財務方針などで50-70%程度を上限としています。
一定の上場基準を満たすと、投資法人の投資口(株式に相当)を上場することができます。
投資口が上場されると、投資家は自分の購入した株式をいつでも株式市場で売買して換金できるようになります。
実物の不動産に投資するときに問題となる「お金が必要なときに、すぐに売却できない」 (流動性が低い)という欠点が、これによってほぼ解消されることになります。
上場しているJ-REITは2004年3月2日現在で12銘柄あります。
2月末時点の時価総額は約1兆円、東証1部上場不動産会社の株式時価総額の約21%に相当します。
投資額に対する配当金の利回り(配当利回りと呼びます)は、 4-6%で推移しています。
プライベートファンド(Private Fund)は「私募ファンド」と訳されます。
不動産分野のプライベートファンドは、一般に「特定少数の投資家から資金を集めて、複数の不動産に投資するしくみ」を指しています。
日本でも、数年前から外資系企業が資金運用手段の一つとして私募型の不動産投資ファンドを組成しており、最近では日本企業(証券会社、不動産会社など)も積極的にファンド組成に取り組んでいます。
プライベートファンドは、厳しい情報開示義務を課されている上場J-REITとは異なり、ある意味で閉鎖的に運営されているので、その全容をつかむことは困難です。
あえて市場規模を推計すると、将来的にJ-REITとして上場する可能性のあるプライベートファンドを含めれば、 5000億円から1兆円に達しているといわれています。
プライベートファンドの形態として広く用いられているのは、 YKTK有限会社+匿名組合)型のスキームです。
このスキームでは、不動産に対する投資資金を、投資家からの匿名出資(エクイティ投資)とノンリコースローンによって調達します。
一般的には、資金調達額に占める借入比率(Loan toValueを60-70%程度にして、 10%以上の投資利回り(IRRベース)を狙うファンドが多いようです。
なかには借入比率を75%以上に設定し、ハイ・レバレッジを効かせて20%以上の高利回りを狙うファンドもあります。
(社)不動産証券化協会が2003年5月に生命保険会社、損害保険会社、午金基金といった機関投資家向けに実施した「不動産運用に関するアンケート調査結果」によれば、プライベートファンドへの投資についての関心はまだ薄いものの、関心を持ち始めたり実際に投資をしている機関投資家が、徐々に増えてきている様子がうかがえます。
また、一部の年金基金を除くと、プライベートファンド-の投資に対する期待収益率は7%以上となっており、上場J-不動産の証券化REITの実績(4-6%)に比べて高い利回りを求めていることがわかります*。
もともとハイリターンを求める資金がプライベートファンドに流れていることに加え、上場J-REITへの投資と比べると、投資資金の流動性に乏しい(J-REITのように、いつでも上場市場で投資口を売却して現金化できるわけではない)ことが、高い利回りを求められる原因の一つになっています。
プライベートファンドの投資スタイルは投資家のニーズによって異なっており、稼働している不動産に投資する普通の形態のもの(コア型)から、バリューアップ(改修などによる価値向上)を狙うもの、短期売買利益(購入してからすぐに転売して得る利益)を狙うものまで多種多様です。
投資期間は様々ですが、 3年間~7年間程度に設定されているものが多いようです。
*住信基礎研究所の「不動産プライベートファンドの実態と不動産市場における役割」 (2002年12月)によると、年金基金が関心のあるプライベートファンドへの出資形態として「取得不動産が特定されておらず、運用の目的や取得する基準のみを定め、一任された運用者により運用されているもの(ブラインドプール)」が挙げられている。
不動産証券化のしくみをある程度、理解したとしても、実務上どのように進めていくのかを知らなければ、不動産投資ビジネスに結びつけることができません。
ここでは流動化型の証券化について実務上の流れを概観し、主なチェックポイントについて説明します。
不動産証券化の実務の流れ実務で最も頻繁に用いられているのが、有限会社と匿名組合を組み合わせたYKTKスキームです。
案件の内容によって手順が前後したり、同時並行で進める項目が生じますので、一つの目安と考えてください。
証券化の検討に入ってからクロージング(組成完了)に至るまでの期間としては、最短でも2-3カ月間ほどは見ておきたいところです。
理論的にはもう少し短くても可能ですが、多くのプレイヤーとの交渉となるので、実薪では少し余裕を持った方がよいでしょう。
証券化を進めるにあたって、特に留意すべき点は次の3点です。
1点目は、証券化の初期段階で証券化の目的と、目的の優先順位を明確にしておくことです。
例えば、オリジネ一夕-が「証券化の手法を使って、来年3月までに賃貸オフィスビルを10億円以上の価格で売却し、その売却代金で銀行からの借入金を返済したい。
証券化した後も、その不動産の管理を受託したい」という希望(目的)を持っているとします。
もちろん、この希望がすべて満たされればよいのですが、多数のプレイヤーが関与する証券化の世界では、必ずしもそうはいきません。
すべての希望を満たそうと固執すれば、案件そのものが不成立になることもあります。
この事例であれば、オリジネーターは①証券化手法の利用、 ②不動産の売却時期、 ③売却価格、 ④売却後の不動産の管理、という4つの点について、それぞれ希望を持っています。
このなかで絶対に譲ることのできないものと、多少であれば譲る余地のあるものとをきちんと分けておくことが、その後の証券化手続きをスムーズに運ぶためには重要です。
2点目は、実物不動産の権利関係や収益状況をしっかりと把握しておくことです。
不動産の証券化というと、格好のよいしくみづくりに目を奪われがちになりますが、最も重要なことは、対象となる不動産そのものについて、よく理解することです。
どんなに立派なしくみを作っても、不動産そのものに蝦症(欠陥)があったり、将来の収益の見通しが立たない不動産では、そもそも証券化の対象にならないこともあります。
「不動産」の「証券化」ですから、まず不動産についての理解を優先して考えるべきです。
証券化対象となる不動産が物理的に越境していないか(他人の土地にはみ出していないか)、賃借人とのトラブルはないか、大きな地震があっても耐えられるか、土壌汚染の問題はないか、アスベスト(石綿)などの環境問題はないかといった基本的な事項については、最低限調べておかなくてはなりません。
不動産の収益状況についても同様です。
テナント(賃借人)との賃貸借契約や賃料延滞の状況はもちろんのこと、きちんと維持補修をしているのか、これから必要な追加支出はどれくらいか、管理の仕方や管理費用は適正かという点も、しっかりと把握しておくことが必要です。
3点目は、ドキュメンテーション(Documentation '.契約書の作成・チェック)に十分な時間を用意しておくことです。

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